症例は62歳の女性.潰瘍性大腸炎・全大腸炎型の治療中に近医で青黛を含む漢方薬による治療が開始された.3週間後より嘔吐,黒色下痢,腹痛が出現した.前医で青黛は中止され,入院加療で一旦軽快するも1カ月後に嘔吐,腹痛を生じた.当院へ転院して精査したところ,小腸造影で上部空腸に長径10cmに渡る求心性狭窄を,また経口的ダブルバルーン小腸内視鏡検査で周囲に発赤を伴う全周性潰瘍を認め,虚血性小腸炎と診断した.外科的治療適応と判断し,腹腔鏡下小腸切除術を施行した.これまで青黛による消化管関連副作用として腸重積症や虚血性大腸炎の報告はあるが,小腸に副作用を来たした報告はなく,稀な経過を辿った症例と考えられた.