日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
H. pylori陰性・除菌後胃癌の内視鏡診断
村尾 高久 梅垣 英次塩谷 昭子
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2020 年 62 巻 9 号 p. 1577-1584

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抄録

Helicobacter pylori陰性胃癌とは主にH. pylori未感染胃粘膜から発生する胃癌と除菌後に発見される除菌後胃癌がある.H. pylori未感染胃癌は未分化型腺癌と胃型形質を有する超高分化型(低異型度)腺癌(胃底腺型胃癌,腺窩上皮型胃癌)が報告されている.未分化型腺癌の多くは印環細胞癌で褪色調のⅡc,Ⅱb病変であることが特徴である.胃底腺型胃癌は胃底腺領域に発生し,粘膜下腫瘍様の形態を呈することが多く,腺窩上皮型胃癌は白色調の側方発育型腫瘍様の扁平隆起性病変やラズベリー様の発赤調の隆起性病変である.除菌後胃癌の多くは強い萎縮性胃炎を伴う分化型癌であり,Ⅱc病変が多い.除菌後分化型癌では表層粘膜を非癌上皮が覆い,生検診断や範囲診断が難しい症例が報告されている.強い萎縮を認める症例では発がんのリスクが高く,除菌後も内視鏡検査による注意深い経過観察が必要である.

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© 2020 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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