2020 年 62 巻 9 号 p. 1585-1591
症例は41歳女性,便潜血検査陽性のため行われた大腸内視鏡検査で,虫垂開口部に径20mmの正常粘膜に覆われた弾性,硬の隆起性病変を認めた.腹部CTでは腸管内腔に突出した隆起性病変として描出され,粘膜下腫瘍の術前診断で腹腔鏡下回盲部切除術を行った.術中観察では虫垂は盲腸内に反転しており虫垂重積を疑う所見であった.病理組織学的検査では,割面で虫垂粘膜の内反を認め,筋層内には円柱状の細胞からなる腺管が内膜様間質を伴って散見され,虫垂子宮内膜症に矛盾しない所見であった.虫垂子宮内膜症を原因とした虫垂重積症は稀であるが,特徴的な内視鏡所見を把握することで,盲腸切除などの縮小手術を施行できる可能性がある.