2020 年 62 巻 9 号 p. 1592-1599
症例は75歳女性.閉塞性黄疸の精査目的でERCPを施行し,肝門部領域胆管癌と診断した.検査後にERCP後膵炎を発症し,感染性被包化膵・膵周囲壊死(WON)を合併した.超音波内視鏡下および経皮的ドレナージを施行するも,感染のコントロールに難渋した.さらにWONとS状結腸に瘻孔形成を認めたため,低侵襲治療としてover-the-scope clip(OTSC)Systemによる縫縮術を行った.膵結腸瘻は閉鎖可能であり,結果的にWONの消失も得られた.急性膵炎での結腸瘻の合併の頻度は多くはないが治療に難渋する.ERCP後膵炎の膵結腸瘻にOTSC Systemが有効であった1例を経験したので報告する.