日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
食道壁両側に穿孔した4cm長の鶏骨を内視鏡的に摘出し手術を回避した1例
米澤 瑛美河上 洋 三池 忠坂元 一樹野田 貴穂鈴木 翔山本 章二朗河野 文彰七島 篤志武野 慎祐
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2021 年 63 巻 1 号 p. 31-37

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抄録

症例は40歳,男性.夕食時に鶏の丸焼きを摂取後,前胸部痛を認めた.CTで胸部下部食道に4cm長の線状の高吸収域を指摘され,周囲には縦隔気腫も併発していた.鶏骨による食道穿孔が疑われ,当科紹介受診.外科のバックアップの下,上部消化管内視鏡による異物摘出を試みたところ,胸部下部食道の左右両側壁に穿孔する鶏骨と思われる異物を認めた.把持鉗子を用いて下行大動脈に近接する左側から抜去し,先端アタッチメント内に引き込んで摘出した.摘出後は絶飲食下に経鼻胃管を留置し間歇的陰圧吸引療法で管理し,手術を回避し得た.食道穿孔は重篤な合併症を引き起こし,手術を余儀なくされることが多い.また,鋭利な異物の場合,摘出操作中に大出血を生じることがあり,内視鏡で摘出する場合は工夫を要する.

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© 2021 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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