2021 年 63 巻 2 号 p. 213-222
近年,咽喉頭領域に表在癌が多く発見されるようになり,咽喉頭表在腫瘍に対する内視鏡治療に注目が集まっている.ELPS(endoscopic laryngopharyngeal surgery)は内視鏡医と耳鼻咽喉科医が合同で咽喉頭腫瘍を切除する手技であり,他の内視鏡手技と同様に臓器温存が可能な術後QOLに優れた安全性の高い手技である.また,ELPSはスピーディーな切開剝離が可能であり,喉頭展開下における良好な視野で治療方針を耳鼻咽喉科医と相談しながら治療ができるなど利点も多い.特に放射線化学療法後の遺残再発病変に対してELPSは有用な手技であり,咽喉頭癌の治療の選択肢の一つとして期待される.