日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
症例
吸引用に2本目の内視鏡を挿入して整復したS状結腸軸捻転症の1例
山口 東平 卜部 繁俊後藤 貴史
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2021 年 63 巻 4 号 p. 423-429

詳細
抄録

症例は73歳男性.便秘・腹痛・腹部膨満感を主訴に近医受診.腹部レントゲンにてS状結腸軸捻転症の疑いで当院紹介受診となる.来院時の診察・採血・画像所見にて腸管壊死・穿孔の所見がないことを確認し,内視鏡的整復術を選択した.大腸スコープを絞扼部より深部のS状結腸ループ内に進め脱気した.次に下行結腸へ進めたが,多量の便で視野不良となるため送気を要し,ガスがS状結腸ループ内に再度貯留し整復が困難だった.そこで脱気用に2本目のスコープを挿入し,ループ内の脱気を行ったところ整復し得た.今回,2本の内視鏡を挿入することで内視鏡的整復術をなし得たS状結腸軸捻転症の1例を経験したので報告する.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top