日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
過誤腫性ポリポーシスの診断と治療
大宮 直木 中村 正直柴田 知行
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2021 年 63 巻 7 号 p. 1323-1335

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抄録

過誤腫性ポリポーシスを来す疾患にはPeutz-Jeghers症候群(PJS),若年性ポリポーシス症候群,Cowden症候群,結節性硬化症がある.その中でPJSは口唇,口腔,指趾の色素沈着と小腸ポリープ重積や慢性貧血を特徴とする.従って,早期に診断しバルーン小腸内視鏡により小腸全域のポリープを摘除することで開腹手術を回避することが可能である.他にCowden症候群,結節性硬化症も皮膚所見が特徴的であり,詳細な身体診察が診断に結びつく.過誤腫性ポリポーシスは消化管のみならず消化管外の悪性腫瘍合併リスクが高いため,消化管の検索をするのと同時に,定期的な全身のサーベイランスが必須である.本稿では各疾患の臨床病理学的特徴,診断,治療について概説する.

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© 2021 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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