2021 年 63 巻 7 号 p. 1336-1343
膵周囲液体貯留(peripancreatic fluid collection:PFC)は,感染例や有症状例ではドレナージ治療やネクロセクトミーなどのインターベンション治療が必要となる.PFCに対するドレナージは,低侵襲な内視鏡的ドレナージが施行されることが多くなっており,病態に応じて経乳頭的ドレナージと超音波内視鏡下経消化管的ドレナージ(endoscopic ultrasound-guided transluminal drainage:EUS-TD)のいずれかが選択される.近年,EUS-TDと内視鏡的ネクロセクトミーが普及し,EUS-TD専用のステントも開発された.治療適応と手技,偶発症を十分に理解したうえで,step-up approachに基づいた治療戦略を立てることが重要である.