2021 年 63 巻 9 号 p. 1623-1629
58歳,女性.5年程前から排便時出血が出現.出血が多くなってきたため精査目的に当科受診.下部消化管内視鏡検査で直腸に40mm大の非腫瘍粘膜で覆われ黄色調を呈し急峻に立ち上がる,頂部潰瘍を伴う有茎性隆起性病変を認めた.潰瘍辺縁から生検し,neuroendocrine tumor(NET)の診断となった.造影CTでは側方リンパ節腫大を伴い,肝S3に石灰化伴う腫瘍も認めた.二期的に手術が施行され直腸腫瘍・腫大リンパ節・肝腫瘍ともに切除されたが,いずれも病理診断はNET G1であった.直腸NET G1で肝転移を伴う大きな腫瘍に進行した症例は稀であり,文献的考察を加味し報告する.