日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
症例
Ball valve syndromeを呈した胃穹窿部gastrointestinal stromal tumor(GIST)の1例
田村 優樹舘山 夢生成清 弘明鈴木 悠平増田 智之安岡 秀敏星野 崇長沼 篤小川 晃柿崎 暁
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2022 年 64 巻 3 号 p. 249-255

詳細
抄録

症例は67歳女性.胃穹窿部に約3cm大の粘膜下腫瘍(submucosal tumor,SMT)を指摘され経過観察されていた.定期検査で増大傾向を認めたため,精査予定であったが,心窩部痛と黒色便を認めたため当科へ紹介され入院した.上部消化管内視鏡検査で,胃穹窿部SMTが十二指腸側に脱出している所見を認め,ball valve syndromeと診断した.内視鏡的整復が困難で開腹腫瘍切除術が施行された.病理検査は消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor,GIST)であった.胃穹窿部GISTによるball valve syndromeは比較的稀であり,文献的考察を加え報告した.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top