2022 年 64 巻 3 号 p. 277-283
【目的】立体感や距離感の認識における3D内視鏡の有用性を検討する.
【方法】12名の術者が30mm,50mm,100mmの距離からテーブルに立てた70mmの鍋ネジを把持鉗子で掴めるか最大5回まで繰り返した.①初回の成功率②5回以内の成功率を,2D内視鏡を施行した2D群と3D内視鏡を使用した3D群で比較検討した.
【結果】初回の成功率は,30mm(2D群8.3%,3D群50.0%),50mm(2D群0%,3D群54.5%),100mm(2D群0%,3D群36.4%)であった.5回以内の成功率は,30mm(2D群75.0%,3D群100%),50mm(2D群63.6%,3D群100%),100mm(2D群45.5%,3D群90.9%)であった.いずれも3D群で成功率は高い傾向であり,50mmの距離における初回成功率は3D群で有意に高かった(P<0.05).
【結論】3D内視鏡は立体感や距離感の認識において2D内視鏡より有用な可能性があると考えられた.