2022 年 64 巻 5 号 p. 1083-1088
免疫チェックポイント阻害剤(immune checkpoint inhibitor:ICI)は腫瘍細胞に対する免疫反応を活性化することにより抗腫瘍効果を発揮するものであるが,様々な免疫関連有害事象(immune-related adverse event:irAE)を誘発することが知られている.腸炎は抗CTLA-4抗体によるirAEの中でも頻度が高く,免疫チェックポイント阻害剤同士との併用や他の抗腫瘍薬(殺細胞性抗がん剤,分子標的薬)で頻度や病態が変化するため注意の必要なirAEのひとつとして知られており本項ではこれまでの知見をまとめ概説する.