膵癌の高リスク群として,家族歴に膵癌家族歴や家族性膵癌が,遺伝疾患の中に,遺伝性膵炎,遺伝性膵癌症候群があげられる.家族性膵癌家系は第一度近親者内に2人(一対)以上の膵癌患者がいる家系と定義されている.これら,リスクを有する個人に対して,膵癌を早期に発見するサーベイランスが世界的に取り組まれている.特に米国を中心としたCancer of the Pancreas Screening(CAPS)ではEUS,MRIを主軸としたサーベイランスの方針であり,世界的にも同様の方法が多く,様々な有用性の報告がなされている.
日本においてもエキスパート・コンセンサスによるステートメントが出され,また多施設前向き介入研究も開始されている.