2022 年 64 巻 5 号 p. 1133-1137
症例は57歳女性.他院で大腸内視鏡検査中に,スライディングチューブが腸管内に滑入し,回収困難となった.当院へ搬送され,精査にて下行結腸脾彎曲部まで滑入したチューブを認めた.透視下に内視鏡とイレウス管,スライディングチューブをもう1本用いることで,滑入したチューブの回収に成功した.治療翌日より食事を開始し,治療2日後に退院した.下行結腸に滑入したスライディングチューブを内視鏡的に回収するには,単純に牽引して回収することは困難で,いくつかの工夫が必要であり,その経験を報告する.