日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
EUS-FNA後に膿瘍形成をきたした膵リンパ上皮囊胞の1例
古田 朗人 大本 俊介滝原 浩守尾野 亘井上 太郎西野 栄世竹中 完筑後 孝章石橋 浩平田中 宏典
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2022 年 64 巻 5 号 p. 1125-1132

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抄録

症例は,55歳男性,左上腹部痛を主訴に紹介受診となった.血清CA19-9などの腫瘍マーカーの上昇を認め,CT検査で膵尾部,脾門部近傍に60mm大の腫瘤性病変を認めた.病理診断目的にEUS-FNAを施行した.EUS-FNA後に腫瘤内感染・腫瘤穿破を認め,経皮的膿瘍ドレナージを行った.EUS-FNAで確定診断に至らず悪性病変を否定できなかったため,その後外科的切除を行い膵リンパ上皮囊胞(lymphoepithelial cyst:LEC)と診断した.膵囊胞性病変に対する穿刺の偶発症につき中心に報告する.

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© 2022 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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