日本消化器内視鏡学会雑誌
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パテンシーカプセルによる腸管通過可否はクローン病寛解患者の新たな長期予後予測因子となる
中村 正直
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2023 年 65 巻 10 号 p. 2249

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抄録

【背景】パテンシーカプセル(patency capsule:PC)は,小腸カプセル内視鏡(capsule endoscopy:CE)の前に小腸の狭窄を除外するために推奨される検査法である.われわれはPCが不通過であった患者と通過した患者の長期の臨床転帰を調査し,その長期予後を比較検討した.

【方法】寛解期の小腸クローン病(Crohn’s disease:CD)の成人患者を対象とした2つの前向きコホート研究の事後解析を行った.論文内では2013年から2020年の間にPCを受けたCD患者を対象としていた.主要アウトカムはフォローアップ期間中の腸管手術または内視鏡拡張術の必要性であった.

【結果】合計190名の患者が選択された(47名:PC不通過,143名:PC通過,フォローアップ期間中央値34.12カ月).PCが不通過であった患者では,主要アウトカムの発生率が高かった(21.3% vs 1.4%,ハザード比[HR] 20.3,95%信頼区間[CI]4.4-93.7,P<0.001).各々の調査項目についても,PC不通過では腸管手術(14.9% vs 0.70%,P<0.001),内視鏡的拡張術(14.9% vs 0.70%,P<0.001),入院(23.3% vs 5.7%,P<0.001),臨床的再燃(43.9% vs 27.7%,P=0.005)の割合が高かった.PC不通過はその後の腸管手術,内視鏡的拡張術の統計学的に唯一の独立した有意な因子として挙げられた.190名のうちPC不通過の1名で自制内の腹部症状の自覚が48時間あった.

【結論】寛解期CD患者であってもPCが不通過であれば,そうでない患者よりも長期的な臨床転帰が悪化する.PC自体が安全で安価な新規の予後判定検査として有用であるかもしれない.

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© 2023 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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