2023 年 65 巻 11 号 p. 2324-2333
内視鏡機器の進歩や術者の意識の向上により虫垂開口部近傍に腫瘍性病変が発見されることが散見される.近年,大腸領域においてもESDは高い一括切除率が得られ一般的な治療となっており,使用デバイスやESD戦略を工夫することで難易度の高い症例も切除が可能となってきている.虫垂開口部近傍はその解剖学的構造からESD難易度の高い部位とされており,高頻度の線維化や薄い筋層などにより術中穿孔のリスクも高い.したがって,手技の習熟はもちろん内視鏡治療適応についても事前にしっかりと判断する必要がある.また,虫垂開口部近傍病変の内視鏡治療後に虫垂炎を発症することがあり,その特徴についても理解が求められる.本稿では虫垂開口部内伸展例を含めた虫垂開口部近傍病変の内視鏡治療適応とその治療についてESDを中心に述べた.今後も新たな治療法の発展により安全性・有効性の向上が期待される.