原発性硬化性胆管炎(primary sclerosing cholangitis:PSC)は,肝内外の胆管にびまん性・多発性に線維性狭窄をきたし,胆汁うっ滞から肝硬変に至る原因不明の疾患である.肝移植以外に根本的な治療方法がなく,また胆管癌の高危険群でもあり,本邦では指定難病の1つとされている.PSCの診断はその特徴的な胆管像に基づいてなされるが,細菌性胆管炎のリスクを考慮し,まずは低侵襲な核磁気共鳴胆管膵管撮影(magnetic resonance cholangiopancreatography:MRCP)やEUSを行う.しかしながら,dominant strictureを有し胆管癌との鑑別が必要となる症例や,罹患早期で軽微な肝内胆管の変化しかない症例では,ERCPは重要な役割を果たしている.またPSCの治療では,dominant strictureを対象とし,狭窄部のバルーン拡張を第一選択とする.長期ステント留置は閉塞による細菌性胆管炎の合併が問題となるため,適応を慎重に検討する必要がある.PSCの診療において胆膵内視鏡は重要な役割を担っているが,そのリスクおよび限界を十分に認識しておくことが肝要である.