【目的】総胆管結石が疑われるがCTで検出できない場合,EUSと核磁気共鳴胆管膵管撮影(MRCP;Magnetic resonance cholangiopancreatography)のどちらが優れた診断ツールであるか,明らかなエビデンスはない.そこで,この研究ではCTで検出できない総胆管結石に対するEUSとMRCPの正診率を比較することを目的とした.
【方法】総胆管結石の存在が疑われる患者をEUSもしくはMRCP群にランダムに割り付けた.一次検査で,総胆管結石や胆泥が検出された患者はERCPを受け,検出されなかった患者は二次検査を受けた.二次検査はMRCPもしくはEUSで,先行検査と異なる検査であった.主要評価項目は正診率,副次評価項目は二次検査の総胆管結石検出率,有害事象発生率とした.
【結果】2019年4月から2021年1月まで,50人の患者が試験に参加した.正診率はEUS 92.3%でMRCP 68.4%(P=0.055)であった.EUSの感度 100%,特異度 88.2%,陽性的中率 81.8%,陰性的中率 100%,MRCPの感度 33.3%,特異度 84.6%,陽性的中率 50%,陰性的中率 73.3%であった.二次検査での総胆管結石検出率はEUS陰性MRCP群 0%,MRCP陰性EUS群 35.7%であった(P=0.041).有害事象は発生しなかった.
【結論】CTで総胆管結石が検出されない場合,EUSはMRCPと比較し優れた診断ツールである可能性が示唆された(UMIN000036357).