2023 年 65 巻 6 号 p. 1136-1141
ERCPは十二指腸乳頭部の正面視が手技の成否に関わる.しかし,選択的挿管困難例が一定数存在し,その代表的なものが十二指腸傍乳頭憩室や憩室内乳頭症例である.
これらに対しては,様々な処置具を用いた手技が考案されている.
今回われわれは,ESD用牽引デバイスを用いて乳頭部を牽引固定し,ERCP関連手技を施行し得た憩室内乳頭の3例を経験した.全例において当初は乳頭開口部が同定できなかったが,牽引固定後は乳頭開口部の正面視が可能となり,手技を行うことができた.また,手技後の偶発症もみられなかった.
本法は乳頭開口部の視野確保が困難な憩室内乳頭症例において,1つの選択肢になり得る.