日本消化器内視鏡学会(Japan Gastroenterological Endoscopy Society:JGES)の抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドラインを世界の内視鏡関連学会で作成されたガイドラインと比較して,その特徴と解決すべき課題について考えた.JGESのガイドラインでは血栓症発症リスクの軽減に重点が置かれていて,特にDOACの休薬期間と再開時期の取り扱いに特徴があった.いまだにエビデンスが明らかでない点も多く検討が必要である.今後の解決しなければならない課題として,コールドポリペクトミーの位置づけ,P2Y12拮抗薬の継続下での内視鏡治療の可否,DOAC休薬の代替治療を含めたヘパリン置換の位置づけ,ワルファリン休薬に対するDOACの一時的置換などがある.