日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
総説
経口胆道鏡の現況と展望
加藤 博也
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2024 年 66 巻 4 号 p. 385-394

詳細
抄録

経口胆道鏡(peroral cholangioscopy:POCS)には,親子式経口胆道鏡と直接経口胆道鏡がある.現在は親子式経口胆道鏡が主流であり,直接経口胆道鏡は経鼻内視鏡などの細径内視鏡を用いるが,技術的な問題などから対象は限定的である.親子式経口胆道鏡の子ファイバーとして,本邦では画質に優れるCHF-B290と操作性,洗浄性能に優れるSpyGlassTMDSが汎用されている.

診断における経口胆道鏡の有用性は,胆管狭窄における良悪性の鑑別と胆管癌の進展度評価であり,治療における経口胆道鏡の有用性は,治療困難な胆管結石の採石である.しかしながら,診断・治療,いずれにおいても使用できるデバイスの性能や種類が限られており,現行のデバイスの改良や新たなデバイスの誕生,さらにはそれらを使用するスコープそのものの改良が必要である.

経口胆道鏡の新たな進歩として,画像強調内視鏡や人工知能診断が出てきており,今後さらなる発展が期待される.

著者関連情報
© 2024 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top