【背景・目的】近年90歳以上の総胆管結石症例は増加傾向にあるが,内視鏡治療の有効性や安全性についてはほとんど検討されていない.そこで90歳以上の超高齢者における内視鏡治療の有効性,安全性について検討することを目的とした.
【方法】2015年4月1日から2022年3月31日までに当院および糸魚川総合病院において内視鏡治療を試みた超高齢者の総胆管結石症例86例を対象とし,結石除去群(56例)と胆管ステント留置群(30例)において偶発症や胆管炎の再発率などを後方視的に比較検討した.
【結果】早期偶発症は結石除去群で3例(5.3%),胆管ステント留置群で1例(3.3%)であり,安全性は同等であった.胆管炎の再発率はそれぞれ6例(10.7%),13例(43.3%)であり,胆管ステント留置群で有意に高率であり(p=0.001),そのうち2例(6.6%)が胆管炎で死亡した.
【結論】超高齢者の総胆管結石症例においても内視鏡治療が可能な症例では,胆管ステント留置にとどめず,完全結石除去まで試みた方がよい.