2024 年 66 巻 4 号 p. 417-421
60歳男性.近医の大腸内視鏡検査でS状結腸に隆起性病変を指摘されたため当院に紹介され受診した.S状結腸にある15mmのⅠsp型大腸腫瘍に対してEMRを施行したところ,創部から拍動性出血があった.複数のクリップで創部を縫縮するもクリップの隙間から漏出性出血が持続した.創部にクリップが連なっていたことでクリップ法の追加ができず,また出血点を同定できなかったことから止血鉗子による電気凝固止血法も困難と考えた.そこで生体適合性合成ペプチドゲル ピュアスタットⓇを塗布することにより止血を得ることができた.クリップ法だけで止血が困難なEMR後出血症例に対して,ピュアスタットⓇによる止血剤の併用は,安全で有用な手段として選択肢となる可能性がある.