2024 年 66 巻 5 号 p. 1228-1235
大動脈閉塞バルーン(Intra-Aortic Balloon Occlusion:IABO)は下行大動脈を遮断することで動脈性出血を制御し心・脳血流の維持ができる機器である.主に外傷による出血性ショックに用いられてきたが,近年産科救急への応用など用途が拡がっている.今回われわれは,重症消化管出血に対しIABO併用下で内視鏡アプローチを行った2例を経験した.IABOにより1例目(十二指腸潰瘍)は出血源が特定でき適切な術式の選択が可能に,2例目(直腸潰瘍)は内視鏡的止血術の成功に至った.いずれも内視鏡単独では得られない結果であり,IABOの併用は消化管出血の診断,治療共に有用な可能性が示唆された.