日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
  • 森 英毅, 森岡 晃平, 金井 隆典
    2024 年 66 巻 5 号 p. 1203-1211
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/20
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    機能性ディスペプシアは疾患有病率が高く,一般的に診療を行う機会が多い疾患であるにも関わらず,多因子が複雑に絡み合うため,疾患の病態生理に未知な部分が多い.「胃もたれ」や「胃痛」などの症状を呈する事から,従来は胃粘膜や胃の機能に焦点を当てた研究が行われていたが,近年の機能性ディスペプシアの病態生理の核に迫る研究は十二指腸を中心に動いていると言っても過言ではない.機能性ディスペプシアの主要な病態として,好酸球や肥満細胞浸潤に伴う“low-grade inflammation”,つまり微小炎症が粘膜バリア機能不全を起こし,様々な異物が求心性神経や消化管ホルモンを刺激し,胃適応性弛緩不全や胃運動障害に繋がるという機序が明らかにされつつある.

  • 江守 智哉, 蘆田 玲子, 北野 雅之
    2024 年 66 巻 5 号 p. 1212-1220
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/20
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    胆膵疾患にサルコペニアの有病率が高い傾向にあり,サルコペニアの合併は急性膵炎・慢性膵炎・胆道癌・膵癌患者において予後不良因子であると報告されている.また,サルコペニアは悪性胆道閉塞に対する胆管ステント閉塞のリスク因子,除痛治療としてEUSガイド下腹腔神経叢ブロック後の治療効果予測因子,被包化膵壊死に対する内視鏡治療の効果予測因子として挙げられている.胆膵疾患治療・胆膵内視鏡処置前にサルコペニアの有無を評価することで,治療の効果予測や栄養療法および運動療法を積極的に介入することができ,治療効果に影響を及ぼすことが考慮される.

症例
注目の画像
手技の解説
  • 髙橋 慶太郎, 河端 秀賢, 藤谷 幹浩
    2024 年 66 巻 5 号 p. 1252-1257
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/20
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    経鼻内視鏡挿入に関しては,内視鏡外径の細径化,前処置の工夫,鼻腔内の挿入経路選択,患者の不安軽減,内視鏡医の教育・技術向上が重要とされてきたが,これまで内視鏡検査時の呼吸法が経鼻内視鏡挿入に影響を与えるかどうかは不明であった.われわれは,経鼻内視鏡検査時の鼻呼吸が内視鏡の挿入性および患者の認容性において口呼吸よりも優れていることを明らかにしており,今回,経鼻内視鏡検査時の呼吸法を中心に内視鏡挿入に関して解説する.

  • 北方 秀一, 木南 伸一, 伊藤 透
    2024 年 66 巻 5 号 p. 1258-1267
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/20
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    腹腔鏡内視鏡合同手術(Laparoscopic and endoscopic cooperative surgery:LECS)は,胃粘膜下腫瘍に対して内視鏡と腹腔鏡を用いて適切かつ最小限の切除範囲で切除を行う術式である.胃壁の過剰な切除が回避され,ダンピング症候群や早期膨満感など術後の愁訴が軽減できる.早期胃癌に対してLECSを適応するには,リンパ節転移診断の正確性と腹膜播種を防ぐ手技が必要となる.リンパ節転移診断に関しては,cT1N0の4cm以下の早期胃癌においてセンチネルリンパ節理論が成り立ち,センチネルリンパ節転移が陰性であればリンパ節郭清を省略できることが明らかになってきた.センチネルリンパ節陰性の場合,腫瘍学的に安全な縮小手術が可能になると考えられる.腹膜播種を防ぐ方法として様々なLECS関連手技が開発されている.われわれは漿膜をシリコンシートで被覆し内視鏡で全層切除を行うsealed endoscopic full-thickness resection(EFTR)を考案した.センチネルノードナビゲーション下腹腔鏡内視鏡合同手術はESD適応外早期胃癌の有用な個別化低侵襲手術の1つとして期待される.

資料
内視鏡室の紹介
最新文献紹介
  • 秋山 純一
    2024 年 66 巻 5 号 p. 1280
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/20
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    【背景】EsophyXによる経口非切開噴門形成術(transoral incisionless fundoplication:TIF)は,内視鏡を用いた低侵襲治療であり,Nissen法による腹腔鏡下噴門形成術と比較して,嚥下障害や鼓腸などの副作用が少ない利点がある.慢性的または難治性の非定型的GERD症状に対するTIFの有効性を評価することを目的とした.

    【方法】4つの主要なデータベース(PubMed, Embase, Web of Science Core Collection, Cochrane Centeral Register of Controlled Trials)から,妥当性が確認された質問票(reflux symptom index:RSI)を用いて非定型的GERD症状を評価した研究を検索した.さらに,EsophyXの現行モデル(TIF 2.0)を用いた報告,および食道裂孔ヘルニア修復とTIF 2.0を同時に施行(cTIF)した報告に限定した.RSIスコア(TIF前とTIF後6,12カ月),技術的成功率,有害事象,PPI使用,患者満足度に関するデータを収集した.

    【結果】2008〜2021年までに10試験(RCT 1,前向き試験4,後向き試験5;患者数564人)が確認された.TIF後6カ月と12カ月のRSIスコアの平均減少ポイント数は,15.72(95%CI,12.15-19.29)と14.73(95%CI,11.74-17.72)であり,技術的成功率は99.5%,有害事象は1%に認められた.重篤な有害事象9例の内訳は,食道の表層裂創3例,消化管出血2例,血腫1例,食道穿孔1例,術後発熱1例,術後縦隔膿瘍1例であった.TIF施行後12カ月では,健康状態に満足している患者の割合は11%から75%に増加し,PPI使用は100%から26%へ減少した.

    【結語】EsophyXを用いたTIFは,非定型的GERD症状を軽減するための安全で有効な治療である.また,患者中心アウトカムを改善し,慢性的な薬物療法を受けている非定型的GERD患者の低侵襲な治療オプションである.

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