日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
消化管腫瘍に対するOver-The-Scope Clip併用内視鏡切除:EMR using an Over-The-Scope Clip(動画付き)
田島 知明 川崎 朋範
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電子付録

2025 年 67 巻 1 号 p. 55-69

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抄録

EMRは世界中に広く普及してきたなかで,病変を断端陰性で確実に切除するため従来法に工夫や改良を加えた“modified EMR”としての様々な手技が開発されてきた.近年,筆者は新たなmodified EMRとして,エムロ(EMR with an Over-The-Scope Clip(OTSC):EMR-O)を考案した.EMR-Oはあらかじめ病変の下に消化管全層縫合デバイスであるOTSCを留置し,その直上をスネアによって切除する手技である.いわば「穿孔させない内視鏡治療」であるため,十二指腸や大腸などの壁の薄い臓器の病変の切除に適している.さらに症例によっては全層切除も可能である点は従来のmodified EMRにはない特徴である.EMR-Oは使用するOTSCの規格により,切除可能な病変はおよそ10-15mmまでに制限されるが,従来の内視鏡治療では切除困難な消化管腫瘍に対する治療の選択肢の1つになる可能性がある.本稿ではEMR-Oの実際と手技のコツ,治療成績などについて解説する.

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