2025 年 67 巻 10 号 p. 1549-1555
【背景・目的】アメーバ性大腸炎には,無症候例がときに存在する.無症候例の臨床的特徴と内視鏡所見を明らかにすることを目的とした.
【方法】2012年1月から2024年2月までに単施設で診断したアメーバ性大腸炎21例を,無症候9例と有症候12例に分け,臨床背景,病変分布と内視鏡所見,生検病理診断および鏡検診断におけるアメーバ虫体検出率を後方視的に比較した.
【結果】臨床背景に両群間で有意な差は認めなかった.直腸病変は無症候例で11%,有症候例で83%陽性であり,無症候例で有意に低く(p=0.002),また無症候例では盲腸病変を8例(88.9%)と高率に認めた.アフタ,潰瘍,びらん,白苔の有所見率,病理診断・鏡検診断での虫体検出率には両群間で有意差はなかった.
【結論】無症候性アメーバ性大腸炎では直腸病変が少なく盲腸病変が多く認められ,病理診断・鏡検診断は有症候例と同等に有用である.