日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
EUS-FNAが食道に接する肺結核の診断に有用であった1例
梅下 仁 大川 良洋岡田 光生北岡 真由子前田 真佐町田 彩佳吉田 莉奈村川 和也矢野 慶太郎中嶋 絢子
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2025 年 67 巻 10 号 p. 1556-1561

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抄録

症例は69歳,男性.健診で左肺に異常陰影を認めたため当院呼吸器内科へ紹介された.造影CT検査にて左上葉の大動脈弓頭側と食道に接する部位に76×34mm大の腫瘤性病変および縦隔リンパ節腫脹を認めた.肺結核や肺癌等を鑑別に挙げ,超音波気管支鏡下穿吸引生検法を検討したが解剖学的に困難なため,経食道的EUS-FNA目的に消化器内科へ紹介された.EUSにて病変は境界明瞭で辺縁不整な低エコー像を呈していた.FNAを施行し,検体の塗抹標本にてZiehl-Neelsen染色陽性と核酸増幅検査による結核菌陽性が判明し,肺結核および結核性リンパ節炎と診断を確定することができた.

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© 2025 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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