日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
早期慢性膵炎を中心とした慢性膵炎のEUS診断
山宮 知 入澤 篤志
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2025 年 67 巻 10 号 p. 1535-1548

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抄録

EUSは非侵襲的かつ高解像度な画像評価が可能であり,早期慢性膵炎および慢性膵炎の診断に有用なモダリティとして広く認識されている.しかし,EUSによる早期慢性膵炎および慢性膵炎の診断では,観察者間の信頼性の低さが長らく課題とされてきた.近年,超音波機器の技術的進歩により,組織硬度を評価するエラストグラフィーが利用可能となっている.従来のstrain elastographyに加え,shear wave elastographyの導入によって,膵実質の線維化の程度をより客観的かつ定量的に評価することが可能となった.さらに,近年の画像処理技術の進展により,最適超音波速度測定による診断精度向上への貢献が報告されている.これらの進歩により,早期慢性膵炎および慢性膵炎の診断は,より簡便かつ客観的に実施可能な段階へと移行しつつある.特に,慢性膵炎の早期診断は膵癌への進展を予防する観点からも極めて重要であり,EUS技術のさらなる進化と標準化が今後一層期待される.

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© 2025 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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