【目的】上部消化管内視鏡検査における十二指腸の観察方法は確立されていない.そのため,われわれが新たに考案した十二指腸観察手順の実装性と腫瘍検出能を検討した.
【方法】本研究は2施設での前向き観察研究である.われわれの考案した7枚撮像十二指腸観察手順(Seven Pictures Rule:7PR)は十二指腸球部前・後壁,上十二指腸角とその対側,下行部乳頭側とその対側,水平部の合計7部位で各一枚撮像する方法である.主要評価項目は7PRの完遂率とし,副次評価項目は腫瘍検出率,部位毎の腫瘍検出率,観察時間,スコープ径毎の7PR完遂率とした.
【結果】対象は1,549名.7PRの完遂率は81.1%であった.腫瘍検出率は,要治療腫瘍全体では0.84%,腺腫では0.71%,癌は0.06%であった.要治療腫瘍の検出は下行部の乳頭対側(69.2%)で最も多く,水平部(0%)ではみられなかった.十二指腸の平均観察時間は53.1秒であった.通常径内視鏡と超細径内視鏡間の7PR完遂率の比較では,84.4%(1,077/1,276) vs. 65.6%(179/273)であった(P<0.01).
【結論】7PRは受容性のある十二指腸観察法であり,標準観察手技になりうる.
【試験登録】大学病院医療ネットワーク臨床試験登録(UMIN登録番号000035344).