日本消化器内視鏡学会雑誌
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手技の解説
胃体部大彎ESDにおける糸付きトラクションの工夫:2点牽引のススメ
横井 千寿 赤澤 直樹秋山 純一
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2025 年 67 巻 2 号 p. 162-169

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抄録

世界中の内視鏡医を魅了し,瞬く間に全世界に普及したESDは,1990年代末に本学会員の誇るべきエキスパート達の情熱が共鳴し合い「産みの苦しさ」を乗り越えて誕生した.国内の保険収載は,2006年の胃ESDの承認を皮切りに,2008年に食道,2012年に大腸へ拡がった.ESDをスマートに成功させる秘訣を一つだけ挙げるとすれば,「カウンタートラクションの確保」である.良好なカウンタートラクションは,組織に適度な張力をもたらし,ピンポイントでスピーディな切開・剝離を可能にし,無血ESDを達成させ,穿孔リスク低減に繋がる.近年では様々なトラクションデバイスが開発され,術者は選択の幅が増えているが,安価で導入しやすいデンタルフロスと止血クリップを用いた牽引法は多くの施設で汎用されており,特に重力や液体貯留の影響で視野確保が困難になる胃体中上部大彎病変で有用であることは,ランダム化比較試験でも示唆されている.本稿では,カウンタートラクションを得るための工夫として2点牽引法を紹介する.

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