日本消化器内視鏡学会雑誌
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平坦型潰瘍性大腸炎関連腫瘍の色素散布内視鏡像の特徴
高林 馨 杉本 真也南木 康作吉松 裕介清原 裕貴三上 洋平筋野 智久加藤 元彦細江 直樹下田 将之矢作 直久緒方 晴彦岩男 泰金井 隆典
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2025 年 67 巻 5 号 p. 1109-1118

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抄録

【背景・目的】近年の内視鏡機器や診断技術の進歩にもかかわらず,潰瘍性大腸炎の炎症性粘膜の複雑な背景と病変の形態的多様性のため,潰瘍性大腸炎関連腫瘍(Ulcerative Colitis associated neoplasia:UCAN)の早期発見は依然として困難とされている.今回,われわれはわれわれの持つUCANのコホートを用いて,平坦型dysplasiaに特徴的な粘膜模様を明らかにすることを目的とした.

【方法】色素散布内視鏡にて詳細に観察された平坦型dysplasiaを有する61症例63病変を対象とした.平坦型dysplasiaの色素散布内視鏡像の特徴を明らかにするために色素散布内視鏡像をdysplasticな粘膜模様とnon-dysplasticな粘膜模様に大別し解析した.

【結果】dysplasticな粘膜模様は,円形から類円形に近い構造を呈する小円形パターン(small round pattern)と,網目状の構造が入り組んだ網目状パターン(mesh pattern)の2種類に分類された.non-dysplasticな粘膜模様は,さざ波状(ripple-like type)と脳回状(gyrus-like type)の2つのタイプに分類された.35病変(55.6%)がsmall round patternを呈しており,51病変(80.9%)が何らかのmesh patternを呈していた.small round patternを有する病変の約70%とmesh patternを有する病変の49%がHigh Grade Dysplasiaまたは癌と診断され,small round patternを有する病変の約30%とmesh patternを有する病変の51%がLow Grade dysplasiaと診断された.

【結論】色素散布内視鏡観察にてsmall round patternやmesh patternといった特徴的な粘膜変化パターンが認められた場合は,UCANの可能性を考慮する必要がある.

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© 2025 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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