2025 年 67 巻 6 号 p. 1141-1154
2000年代初頭から経鼻内視鏡による画像強調診断は行われており,最近の画質は革新的な進歩を遂げている.そのため標準型内視鏡と遜色のない鮮明な画像が得られ,経鼻内視鏡でも微細画像診断の知識が要求されるようになった.Narrow band imaging,Blue laser(light)imagingは食道癌のスクリーニングに頻用され,咽頭喉頭において広角での観察も可能である.経鼻内視鏡では胃内の死角が少なく正面視しやすいという長所もある.胃癌のスクリーニングでは初期にはFlexible spectral image color enhancementによる,最近ではLinked color imaging(LCI)による色調コントラスト診断が行われてきた.LCIでは組織の違いにより色調が異なるという,これまでの画像診断では得られなかった炎症性および腫瘍性病変の診断が可能となった.最近では高解像度Complementary metal oxide semiconductorセンサーを搭載し,ハイビジョン画質で近接2mmから遠景観察まで高精細な画像が得られる.Texture and brightness and color enhancementによる視認性の評価も行われている.このような白色光画像から画像強調診断への大きな進化期を迎え,経鼻内視鏡による早期上部消化管癌の拾い上げ診断は,今後人工知能による診断支援を伴ってさらに進歩していくと考えられる.