2026 年 68 巻 2 号 p. 178
【背景】大腸癌の発生率と死亡率を低下させるために大腸腺腫や早期大腸癌を発見し,かつ治療することができる大腸内視鏡検査は非常に重要である.本研究の目的は,大腸病変の発見において,白色光画像(white light imaging:WLI)に対する構造色彩強調機能(texture and color enhancement imaging:TXI)の優位性を確認することである.
【方法】本研究はランダム化比較試験であり,日本の8施設で実施された多施設共同研究である.期間は2023年3月から2023年10月,対象は40~80歳とした.EVIS X1内視鏡システム(CV-1500,オリンパスメディカルシステムズ株式会社)および新型の大腸内視鏡(CF-EZ1500DI,オリンパスメディカルシステムズ株式会社)を使用し,TXIモード1とWLIの2群に割り当て検査を実施した.主要評価項目は検査ごとに検出された腺腫の平均数(mean number of adenomas detected per procedure:MAP)とし,副次的評価項目は,腺腫検出率(adenoma detection rate:ADR),ポリープ検出率(polyp detection rate:PDR),平坦ポリープ検出率(flat polyp detection rate:FDR),SSL検出率(SSL detection rate),有害事象等とした.
【結果】合計956人の患者が登録され,適格基準を満たさない患者を除外した後,451人と445人の患者がそれぞれTXI群とWLI群に割り当てられた.MAPはTXI群で1.4個,WLI群で1.5個,ADRはそれぞれ57.2%と56.0%であり,2つの群間に統計学的有意差は認めなかった.一方,PDRとFDRはTXI群の方がWLI群よりも有意に高く,それぞれ82.5%対74.4%(P 1⁄4 .003),76.5%対70.3%(P 1⁄4 .036)であった.またSDRはTXI群の方がWLI群よりも高値であったが,統計的に有意差は認めなかった.
【結語】本研究では腫瘍性病変の検出において,WLIに対するTXIの優位性を確認することはできなかった.しかしTXIは平坦ポリープの検出に有効である可能性が示唆された.