日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
大腸内視鏡による表面陥凹型腫瘍(Ⅱc)の拾い上げ診断とその臨床的意義
藤井 隆広
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2026 年 68 巻 3 号 p. 193-203

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抄録

大腸表面陥凹型腫瘍(Ⅱc)は1970年代に本邦で初めて報告され,発見困難かつ悪性度の高い病変として注目されてきた.Ⅱcは小型病変であっても粘膜下層への浸潤やリンパ節転移を来しやすく,さらに便潜血検査(fecal immunochemical test:FIT)で陰性となりやすいこと,加えて内視鏡観察においても発見困難で見逃されやすいことから,post-colonoscopy colorectal cancer(PCCRC)の原因病変の一つと考えられている.このため,Ⅱcの発見には大きな臨床的意義がある.歴史的には「幻の癌」と称されたが,色素内視鏡やnarrow-band imaging(NBI)などの画像強調観察技術の導入により,その存在診断は着実に進歩してきた.さらに近年ではAIによる検出支援の有用性が期待されているが,一方でAIへの過度な依存が術者の集中力低下を招く可能性も指摘されている.Ⅱc発見の向上には,FIT陰性例を含めた初回内視鏡検査の受診率向上を基盤とし,サーベイランスにおいてもⅡcを常に念頭に置いた質の高い内視鏡検査を実践することが求められる.その上で,Ⅱcの拾い上げ診断を可能とする教育および技術の体系化が今後の重要な課題である.

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