2026 年 68 巻 3 号 p. 219-227
【背景・目的】近年,胆道感染症において起因菌及び抗菌薬感受性の変遷が考えられている.治療において,起因菌と抗菌薬への感受性を特定することは重要な役割を持つ.
【方法】胆道感染症患者に対しERCP施行時に採取した胆汁より,細菌学的検索を好気的並びに嫌気的に行い,起因菌を特定し,抗生剤感受性を調べ,変遷を検討した.
【結果】検出された菌種では,好気性菌としてEscherichia coliを含むグラム陰性桿菌が最も多く,菌種の傾向に変化はなかった.薬剤感受性はアンピシリン・スルバクタム(AMPC/SBT)に対する感受性が全体で低下していた.カルバペネム耐性腸内細菌症例は増加し,カルバペネム耐性の緑膿菌も増加傾向にあったが,extended-spectrum β-lactamase(ESBL)産生菌の検出率は減少していた.
【結論】菌種は変化がないものの,従来の薬剤感受性から変化を認めており,胆道感染症の治療に際し,ERCPでの胆汁採取,培養は抗菌薬選択に際し,有用な方法であると考えられる.