2026 年 68 巻 3 号 p. 228-232
72歳の男性.スクリーニングのEGDで胸部中部食道に病変を認め,生検でSquamous cell carcinomaと診断され精査加療目的に紹介となった.通常白色光観察では病変の丈が高く粘膜下層浸潤癌が疑われたが,狭帯域光拡大内視鏡観察における微小血管構造は粘膜上皮/固有層癌と考えられる所見であった.EUSで粘膜筋板由来の平滑筋腫上に併存する粘膜上皮/固有層癌と診断し,ESDで一括切除した.粘膜下腫瘍の存在により癌の深達度を過大評価し,外科的介入した症例の報告もあり,術前精査を十分に行うことが重要である.術前EUSが診断に有用であった1例を経験した.