2026 年 68 巻 3 号 p. 247-254
大腸ステントの普及に伴い,ステント留置術は比較的安全性の高い手技となっている.しかし,閉塞性大腸癌では前処置ができないため,腸管内の残便や残渣により視野不良な状況が多く,スコープを病変部まで進めることや管腔開存部の同定が困難なことがある.その際,知らずのうちに過送気になり腸管内圧が上昇し患者苦痛を増悪させ,カテーテルやガイドワイヤーの無理な操作により出血や穿孔などの偶発症が生じてしまうことがある.近年,管腔内をゲルで満たした状態で内視鏡処置時の視野を確保するgel immersion endoscopy(GIE)が注目されている.大腸ステント挿入の際にGIEを併用することで,腸管内を低圧環境にし,内視鏡視野および操作性を向上させ,患者負担の少ないより安全なステント留置が実施できる.