2026 年 68 巻 4 号 p. 324-331
胃癌に対するESD後の後出血は,特に抗血栓薬服用者においては依然として重要な課題である.胃の粘膜や筋層の厚さから従来のクリップのみでは粘膜下層の死腔(Submucosal Dead Space:SDS)を効果的に減少させることが困難であった.本稿では,鋭いアンカーと強力な把持力を有するMantis clipを用いた胃ESD後の創部閉鎖法について解説する.Mantis clipは粘膜欠損部の筋層を内反させながら把持・固定できるため,SDSを軽減した閉鎖を短時間かつ簡便に実施できる.ここでは,Mantis clipを用いた胃ESD後創部閉鎖の手技,適応,有用性および留意点について詳述する.