抄録
大腸結核を生検によって確定診断することは,従来より困難であるといわれている. われわれは内視鏡的に採取した生検材料の結核菌培養で,抗結核剤未投与例7例中6例(85.7%)に結核菌を証明した.結核菌培養成績と潰瘍の形態,すなわち大きさ,深さとの間には関連はみられなかった.活動期の潰瘍底には,結核菌が必ず存在し,大腸結核の確定診断のためには,生検組織診よりも結核菌培養が有効であると考える. また,非切除大腸結核確診例をX線的に追跡してゆくうちに,大腸結核に特徴的な「潰瘍瘢痕を伴う萎縮帯」の所見をもたない症例が存在することがわかり,これらの非典型例について検討をおこない,大腸結核X線像をA・B・Cの3群に分類した.