日本消化器内視鏡学会雑誌
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21 巻, 11 号
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  • 内田 善仁, 原田 俊則, 沼 義則, 藤川 佳範, 宮崎 誠司, 東 光生, 河村 奨, 竹本 忠良, 今岡 友紀, 赤間 宏, 内田 孝 ...
    1979 年 21 巻 11 号 p. 1281-1288
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     高齢者14例を対象として,心電図および超音波心臓検査法を用いて,内視鏡検査施行時の心機能変化について検討した.(1)全例において検査中には心拍数,血圧および心拍出量が増加し,検査後は減少した.(2)14例中8例(57%)にSTsegmentの低下がみられた.(3)1例において重篤な不整脈が出現した.(4)PEPcは検査中全例において延長した.検査後,心機能低下によるPEPcの延長が認められたものが4例あった.(5)ETcの変化は一定の傾向を示さなかった.(6)PEP/ETは検査中全例において増加した.検査後にもPEP/ETの増加したものが4例あり,この4例はPEPcの延長を示した例と同一であった.
  • 水島 和雄, 原田 一道, 岡村 毅与志, 柴田 好, 林 朋子, 並木 正義, 葛西 真一, 水戸 廸郎, 井原 和夫, 渥美 和彦, 西 ...
    1979 年 21 巻 11 号 p. 1289-1296_1
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
     西独MBB社のYAGレーザーを用い,コアグレーター以外の臨床的応用として,隆起型早期癌,胃ポリープ,胃石に用い,次のような結果を得た. 1)隆起型早期癌では1型,2例,IIa型1例の計3例にレーザー治療を行い,3例とも腫瘍;は消失し,照射後,良好な経過で再発をみていない. 2)手術不能な隆起型早期癌の1つの治療法として,安全で簡単であり,有用と考えられた. 3)胃ポリープでは,高周波で切除しにくい山田皿型の3例にレーザー照射を行ったが,3例とも一度の照射できれいに消失した. 4)ポリペクトミーにて,出血,穿孔の予想されるような例には本療法が適応と考えられる. 5)胃石の1例に本療法を試みたが,胃石の非手術的治療法の1つとしての可能性は大であるが,今後さらに症例を重ねて検討する必要がある.
  • 荒川 哲男, 小野 時雄, 中村 肇, 蝶野 慎治, 小林 絢三
    1979 年 21 巻 11 号 p. 1297-1305
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     フルオレスセインを用いた螢光内視鏡検査を胃および十二指腸潰瘍瘢痕に施行した.瘢痕部の螢光出現度を客観的に表わすため,周辺健常部の螢光量との比をとって数量化し,healing indexとした.動物実験でhealing indexは胃潰瘍瘢痕の経過がすすむにつれて速やかに上昇し,瘢痕部の修復度とよく相関した.胃潰瘍症例では赤色瘢痕期には,ほとんどがhealing indexが低値を示したが白色瘢痕では高値を示した.十二指腸潰瘍瘢痕例では,同時期の胃潰瘍瘢痕に比しindexは高値を示す傾向にあった.胃潰瘍瘢痕例の中に,白苔消失後長期経過した後もindexが低値を持続するものがあり,そのうち1例に再発を認めた.以上より,潰瘍の治癒を判定する1つの方法として,潰瘍瘢痕への本法の応用が可能と考えられた.また再発の予測に応用しうる可能性がうかがえた.
  • 坪井 正夫, 安日 新, 阿部 吉弘, 上野 恒太郎, 石川 誠
    1979 年 21 巻 11 号 p. 1302-1307
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     胆管造影の簡易化及び造影率の向上を目的として,従来の側視式十二指腸ファイバースコープ,オリンパスFF-B3の視野角を15度後方視に改造した後方斜視式十二指腸ファイバースコープを使用し,臨床的にその有用性を検討した・ERCPの適応とされた51症例に対し試用したところ,挿管率98%,選択的胆管造影率87% ,選択的膵管造影率97%の成績を得た.本改良型では必ずしも胆管造影率の著るしい向上は得られなかったが,乳頭開口部の観察及び胆管への挿管は従来の機種を用いたものよりも明らかに容易かつ確実となり有用と思われた.しかしながら,さらに十二指腸下行脚への挿入を容易にし,また一般上部消化管内視鏡として広く用いられるためにも,後方視野とともに前方視野もより広く観察できるような広角の視野を持っな側視式十二指腸ファイバースコープ.の開発が望ましいと考える.
  • 外村 政憲, 江藤 賢冶, 梅田 照久, 田代 篤信, 赤星 玄夫, 出口 隆志, 佐藤 辰男
    1979 年 21 巻 11 号 p. 1308-1325
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     各種肝疾患患者259例に腹腔鏡検査ならびに肝生検を施行した.疾患のうちわけは急性肝炎44例,慢性肝炎171例(うち慢性肝炎非活動型28例,同活動型122例,小葉改築傾向を伴う同活動型21例),および肝硬変44例であった.これらの症例につきその肉眼所見,一般肝機能検査を組織像と対比した.一般肝機能としては,S-GOT,血清アルブミソ,血清γ-グロブリン,コリンエステラーゼ,ICG消失率,BSP45分停滞率を選んだ.肉眼所見としてはKalkの分類と島田の番地分類を用いた. 大白色肝においては,血清γ-グロブリン値とBSP停滞率が急性肝炎と慢性肝炎の鑑別に有用であった.また斑紋結節肝,初期結節肝では,ICG消失率がいわゆる前硬変状態を意味する小葉改築傾向の有無とよく相関していた. 腹腔鏡ならびに肝生検は,常に肝疾患患者すべてに施行することはむずかしく,このような場合には肝機能検査のみから疾患を予測しなけれぽならない.そこでわれわれはS-GOT,血清アルブミソ,血清γ-グロブリン,ICG,BSPを組み合わせて肝機能スコアを考案した.この方法により,慢性肝炎の非活動型と活動型の鑑別が可能であった.また活動型の方が非活動型に比べHBsAg陽性率,RA-test陽性率が高率であった.
  • 富士 匡, 河村 奨, 清水 道彦, 有山 重美, 東 光生, 前谷 昇, 播磨 一雄, 川嶋 正男, 永富 裕二, 森戸 正俊, 竹本 忠 ...
    1979 年 21 巻 11 号 p. 1318-1326
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     十二指腸乳頭部癌21症例のHDG,ERCP,PTC,十二指腸内視鏡検査での特徴的所見をピックァップし,各種検査法での正診率を比較し,術前での癌の深達度をretrospectiveに検討した. HDG所見からは乳頭部の腫大または同部に限局した陰影欠損像として描出された.ERCP,PTC所見では胆道末端が圧痕を伴ったU型の完全閉塞像を示し特異的であった.内視鏡検査では乳頭部の隆起形態からswelling type, nodular type, infiltrating typeの3型に分類され,いずれも正診可能であった. 各種検査法での正診率は内視鏡検査がもっともすぐれ,内視鏡所見からswellingtypeが,他の2者より癌深達度が浅い傾向をみとめた.手術直後でのレントゲノグラムは術前でのHDGとの比較の上で癌深達度の診断にも応用しうることが判明した.
  • 針間 喬, 浜田 義之, 渡辺 正俊, 小田原 満, 青山 栄, 藤田 潔, 竹本 忠良
    1979 年 21 巻 11 号 p. 1327-1333
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     大腸結核を生検によって確定診断することは,従来より困難であるといわれている. われわれは内視鏡的に採取した生検材料の結核菌培養で,抗結核剤未投与例7例中6例(85.7%)に結核菌を証明した.結核菌培養成績と潰瘍の形態,すなわち大きさ,深さとの間には関連はみられなかった.活動期の潰瘍底には,結核菌が必ず存在し,大腸結核の確定診断のためには,生検組織診よりも結核菌培養が有効であると考える. また,非切除大腸結核確診例をX線的に追跡してゆくうちに,大腸結核に特徴的な「潰瘍瘢痕を伴う萎縮帯」の所見をもたない症例が存在することがわかり,これらの非典型例について検討をおこない,大腸結核X線像をA・B・Cの3群に分類した.
  • 曽和 融生, 冬広 雄一, 中尾 昭治, 大北 日吉, 三木 篤志, 吉川 和彦, 松沢 博, 西脇 英樹, 深水 昭, 青木 豊明, 梅山 ...
    1979 年 21 巻 11 号 p. 1335-1342_1
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     従来,誤飲された消化管異物の摘出は開腹術にゆだねられていたが,消化器内視鏡技術と器種の発達により,積極的な内視鏡的異物摘出が行われている.最近自験2例を経験したので,この機会に本邦での報告例を集計し,文献的考察を加えた.自験1は45歳,女性,自殺目的に飲んだ口紅を1年6ヵ月後,内視鏡的に異物鉗子を用いて摘出し得た症例であった.自験IIは13歳,中学生,男子で,発作的にアパートの鍵をのみ,開腹摘出を希望,受診した症例であるが,ナイロン糸によるスネアー方式で摘出し得た例であった.これらの症例を中心に本邦での報告20例を集計し,使用器種,摘出方法,異物の種類,適応基準等について考察し,更に誤嚥異物の消化管合併症について文献的考察を加え,胃内異物に対する積極的な内視鏡的摘出の必要性を強調した.
  • 宮本 二郎, 高瀬 靖広, 中原 朗, 川北 勲, 山形 迪, 小山 捷平, 三田村 圭二, 大菅 俊明, 福富 久之, 崎田 隆夫
    1979 年 21 巻 11 号 p. 1343-1346
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     内視鏡検査の診断能が向上することにより,今までアブローチのできなかった分野での新事実の発見もみられるようになった.寄生虫に関してもX線的に偶然見つけられることの多かった回虫症を除いて,その他の虫体の小さなものは内視鏡検査が手軽に行なえるようになってから報告も次第にふえてきた.今回われわれは腹痛を主訴に来院し,十二指腸乳頭部近傍にアメリカ鉤虫が浮遊しているところを発見され内視鏡的に摘出しえた症例を2例経験したので報告した. 本来空腸に寄生すべき鉤虫が十二指腸内に存在している事実を確認できた貴重な症例と考えられる.
  • 山口 敏朗, 勝見 正治, 浦 伸三, 青木 洋三, 殿田 重彦, 広田 耕二, 橋本 忠明
    1979 年 21 巻 11 号 p. 1347-1352
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     大腸内視鏡検査時の合併症は局所の出血,穿孔をはじめとして多岐にわたり経験されている.われわれの施設では最近,術中大腸ファイバー一スコピー時に発生した,門脈ガス血症の1例を経験した.患者は27歳,女性で3年前より腹痛,下血,発熱を繰り返す重症の潰瘍性大腸炎に苦しんでおり,1977年5月19日手術にふみきった.全麻下に開腹直後,上位結腸切離部位決定のため大腸ファイバースコープを挿入した.送気により拡張した,結腸より,突然大量のairが下腸間膜静脈内に流入し,患者は急激な血圧下降を示した.麻酔医の適切な処置により回復し,大腸亜全摘,回腸直腸吻合術を行った.本症例における門脈ガス血症の発生機序等に関し文献的考察を加え,報告した.
  • 1979 年 21 巻 11 号 p. 1353-1360
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 21 巻 11 号 p. 1361-1364
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 21 巻 11 号 p. 1365-1375
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1979 年 21 巻 11 号 p. 1376-1397
    発行日: 1979/11/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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