日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃粘膜腸上皮化生の初期変化
竹 内功磨伊 正義小西 二三男
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1979 年 21 巻 12 号 p. 1425-1434_1

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抄録

 10歳から29歳までの男女150例に内視鏡的M-B染色を行なった.判定には点数法を用い,胃全域の腸上皮化生の拡がりを0→18点で表現した.生検標本にはLAP,AL-P二重染色をほどこし実体顕微鏡観察の後・H-E染色による組織学的観察を行なった. 結果:(1)腸上皮化生は10代では36例中8例(22%)に,20代では114例中39例(34%)に認められた.(2)経過観察を行なった中の2例についてはビラソの修復時に内視鏡的に始めてM-B吸収が見られ,点数:は1点で,独立した微細病変であり,生検標本における検索法においても腸上皮化生と判定出来たので,腸上皮化生の初期変化とした.初期変化は,いぼ状ならびに多発性びらんに見られ,拡大内視鏡像は細いフィラメソトから成っていた.(3)びらんを伴わない症例で幽門部の線状および樹枝型腸上皮化生を経験した.点数は1点で,独立した微細病変であり,腸上皮化生の初期変化を示唆するものであった.線状および樹枝型化生を示す初期像について,その発生機転について,検討した.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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