抄録
レーザー光凝固による内視鏡的止血法の対象として最も重要となる出血胃潰瘍の露出血管の状態について,切除胃を用いて検討を加えた. 対象は切除胃71症例78病変で,その性別は男性61例,女性10例であり,平均年齢は56.4歳であった.組織標本で露出血管外径を計測した結果は平均が0.92mmで1mm以下が70.5%,2mm以下が94.9%となり,大部分が現在市販のNd-YAGレーザーでもって止血可能であると考えられた.しかし露出血管を認める出血胃潰瘍の発生部位を検討すると,体下部および胃角の小轡ならびに体部の後壁に多く,現在使用されている前方直視型の内視鏡では適確なレーザー照射が困難な部位であり,今後側視型レーザー内視鏡などの開発および技術的な問題についても検討を重ねていかねばならない.