日本消化器内視鏡学会雑誌
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原発性十二指腸癌の内視鏡的検討
富士 匡河村 奨飯田 洋三清水 道彦有山 重美東 光生前谷 昇川嶋 正男播磨 一雄永富 裕二森戸 正俊相部 剛竹本 忠良干原 龍夫梶川 憲治吉川 静西明 義晃松浦 宏松原 龍男
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1979 年 21 巻 12 号 p. 1447-1452_1

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抄録

 十二指腸乳頭部癌をのぞく原発性十二指腸癌自験例7例のX線および内視鏡所見と臨床経過をしらべ以下の結論をえた. X線所見では球部~下行脚の病変5例全例隆起性であり,うち3例は積極的に悪性病変が疑えなかったが,水平脚の2例はともにBorrmannII様の陥凹性病変であった. 内視鏡所見では,球部および下行脚の各1例はポリープ状で,他の下行脚病変は不整隆起,易出血性より悪性像を示した.水平脚病変は内視鏡の到達が不成功であった. 球部,下行脚病変は隆起型で癌深達度はm,Pm,水平脚病変は2例ともに陥凹型で筋層を超え外膜に達していたことから,癌の発育形態の差異がある程度推察された. なお,狭窄症状や貧血,腫瘤触知という癌進行時での受診,病悩期間の長さ,上部消化管X線検査での偶然的な発見などのため予後不良であった.

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