抄録
Piecemeal polypectomyは,大腸の内視鏡的ポリペクトミーの中でも治療に主眼がおかれているという点で適応の選び方が特殊である.われわれの9例の経験を通して,その適応の決定と技術的な問題点について報告する.9例中4例は意図的に行ったもので,5例は結果的にpiecemealとなったものである.大部分は2cm以上の扁平ないし亜有茎性であり,4例はfocal cancer,2例は浸潤癌であった.意図的に行った4例はいずれも完全な摘除ができたが,他の5例中3例では追加切除が必要であった.追加切除によって腸壁熱変性の著明な例が1例に認められた.本法は高齢者に対する治療的ポリペクトミーとしては有用である.しかし,腺腫内癌の出現率が高いにも拘らずorientationの悪い標本しか得られないこと,腸壁の熱変性が強度になりうることの2点を考慮して,適応を1例1例慎重に決定しなければならないと考える.