抄録
膵癌による胃圧迫所見を,手術または剖検で確認された膵癌症例,34例について,内視鏡:的に検討した.膵癌の占居部位別に,胃圧迫の出現率を調べたところ.頭部癌では,14例のうち5例(36%),他部位の癌では,20例のうち17例(85%)であった.膵癌による胃圧迫部位は,胃に対する膵臓の走行によく一致していた. 胃圧迫の程度は,膵癌の大きさと密接な相関を示さず,膵癌の胃に対する位置,および,膵癌の発育方向に関係するものと思われる. 膵癌による胃圧迫像は,立ち上がりは緩やかで,境界は不明瞭なことが多いが,圧迫が高度な場合には,立ち上がりがやや急であったり,境界が比較的明瞭であることも少なくない. 胃圧迫の全体像を,軽度圧迫・表面平滑,軽度圧迫・表面平滑一部凹凸,軽度圧迫・表面全体凹凸,高度圧迫表面平滑,高度圧迫・表面平滑一部凹凸,以上の5型に分類した.