日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
パラファンクションに起因する顎機能障害患者の全顎的補綴処置
田中 茂生
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2011 年 3 巻 2 号 p. 182-185

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抄録
症例の概要:患者は 67歳女性.主訴は,咬合高径の低下による咀嚼,審美障害である.まず,咬合挙上用スプリントにて咬合挙上を行い,さらに,プロビジョナルレストレーションを,咬合関係・歯周環境,審美的要素を確立するような形態に順次調整し,長期間装着した.最終補綴物は,上顎前歯部と下顎全顎をメタルボンドクラウンとした.
考察:患者は,審美的,機能的にも満足が得られた.しかし,睡眠時パラファンクションを有するため,スプリントを装着し,定期的なメインテナンスが必要であると考える.
結論:プロビジョナルレストレーションの長期装着により顎関節,咬合の安定を模索することが,良好な補綴物の維持に反映することが示された.
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© 2011 社団法人日本補綴歯科学会
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