抄録
家兎を用いて,1% amylopectin sulfateを経口的に2日間投与,5日間休薬の反復投与を行うことにより大腸に病理組織学的に潰瘍性大腸炎と酷似した病変を作成し得た.これを用いて内視鏡,実体顕微鏡,走査電子顕微鏡にて粘膜表面構造を観察した.2回反復例では直腸に17%の頻度で肉眼的潰瘍形成を認めた.内視鏡的には色素撒布を行うことにより病変が明瞭となり,実体顕微鏡にて腸小区,腺口の乱れが認められ,走査電子顕微鏡では陰窩周囲の細胞境界消失と,更に微絨毛の脱落と,ポリープ状,糸状変形が認められた.4回および6回反復例では67%の頻度で肉眼的潰瘍形成があり,病理組織学的に潰瘍性大腸炎と酷似した所見が得られた.内視鏡的には明らかな潰瘍性病変があり,腸小区が消失する例や,潰瘍の形もより不整形になるのが認められた.走査電子顕微鏡では陰窩口は破壊され,微絨毛の脱落は広範となったが,これらの変化は潰瘍性大腸炎の粘膜表面構造との関係で重要性を示すものと考えられる.